Cafe Create Lab.代表の三瓶です。
「開業設計ノート」では、カフェ開業に役立つ情報をお届けしています。
今回は、「客単価を上げたいけれど、これ以上の値上げは難しい」と感じている方に向けて、値上げに頼らず客単価をあと100円上げる方法をお話しします。
結論から言うと、客単価を上げるために必要なのは、無理に高い商品を売ることではありません。
今来てくださっているお客様が、自然に「もう一品」を選べる状態をつくることです。
たった100円と思うかもしれません。しかし、小さなカフェにとって、この100円は意外と大きな差になります。
客単価100円の差は、月商10万円の差になる
たとえば、1日40人のお客様が来店し、月25日営業するカフェを考えてみます。
客単価が100円上がると、
100円 × 40人 × 25日 = 月10万円
来客数を増やさなくても、月の売上が10万円変わります。
新しいお客様を毎日何人も集めるには、広告やSNS、口コミなど、時間も労力もかかります。
一方で、すでに来店してくださったお客様に「これも一緒に頼みたい」と思っていただく工夫は、店内ですぐに始められます。
だからこそ、売上を上げたいときは新規集客だけでなく、今のお客様の注文内容を見ることが大切です。
方法① ドリンクに合う「小さな一品」を用意する
追加注文を増やすうえで取り組みやすいのが、ドリンクと一緒に頼める小さな商品です。
たとえば、
ミニサイズの焼き菓子
一口サイズのチョコレート
小さなスコーンやクッキー
少量のデザート
などです。
ポイントは、ボリュームのある商品を増やすことではありません。
「少しだけ食べたい」という気持ちに応えるサイズと価格にすることです。
コーヒーが600円、ケーキが600円だと、合計1,200円になります。お客様によっては、少し高いと感じてドリンクだけにするかもしれません。
一方で、200〜300円程度の小さな焼き菓子があれば、「それなら一緒に」と選びやすくなります。全員が注文しなくても、一部のお客様が追加してくだされば、平均客単価は上がっていきます。
方法② セットは「お得さ」より選びやすさをつくる
セットメニューというと、値引きをイメージする方が多いかもしれません。
しかし、本来の役割は、お客様が迷わず組み合わせを選べるようにすることです。
たとえば、
コーヒー+焼き菓子
ランチ+ミニデザート
ケーキ+相性の良いドリンク
といった組み合わせを、メニュー上でわかりやすく見せます。
単品を並べるだけでは、お客様自身が組み合わせを考えなければなりません。おすすめのセットを用意しておくと、「この組み合わせなら間違いなさそう」と注文しやすくなります。
大幅な値引きは必要ありません。
利益を削って安く売るのではなく、注文の迷いを減らす設計としてセットを考えてみてください。
方法③ メニュー表に「追加する理由」を書く
商品が用意されていても、その存在や魅力が伝わらなければ注文にはつながりません。
ただ「クッキー 250円」と書くだけでなく、
深煎りコーヒーと相性の良いチョコクッキー
食後にちょうどいいミニサイズ
本日のコーヒーと一緒におすすめ
というように、いつ、何と一緒に楽しむ商品なのかまで伝えます。
お客様は商品を見ているだけではなく、「今の自分に必要か」を判断しています。
追加する理由が一言あるだけで、選ばれ方は変わります。
メニューの目立つ位置に置く、レジ横に現物を見せる、スタッフがお会計前に一言案内する。こうした小さな接点を重ねることも効果的です。
方法④ おすすめの声かけを仕組みにする
追加注文は、スタッフの販売力だけに任せないことが大切です。
「何か追加されますか?」では、お客様も断りやすくなります。
それよりも、
「今日の深煎りには、この焼き菓子がよく合います」
「ランチにプラスすると、ミニデザートを付けられます」
と、具体的に提案した方が選びやすくなります。
もちろん、押し売りになってはいけません。
売り込むのではなく、お客様が知らなかった選択肢を案内するという感覚です。
誰が接客しても同じように案内できるよう、声かけの言葉を1〜2種類に決めておくと、無理なく続けられます。
方法⑤ 店内飲食だけでなく「帰りの一品」をつくる
客単価は、店内で食べるものだけで考える必要はありません。
持ち帰り用の焼き菓子
ドリップバッグ
少量のコーヒー豆
ちょっとしたギフト
など、帰り際に買える商品も客単価を支えてくれます。
特に「自分用に一つ」「家族へのお土産に一つ」と選べる価格帯の商品は、カフェ利用の満足感を損なわずに売上をつくれます。
ただし、物販は置けば売れるわけではありません。
レジから見える場所に置き、用途やおすすめの飲み方がひと目でわかるようにしておきましょう。
客単価を上げるときに注意したいこと
追加商品を増やしすぎると、仕込みや在庫管理が複雑になり、廃棄が増えてしまいます。
せっかく売上が上がっても、原価や人件費、手間が増えすぎれば利益は残りません。
最初は、
既存の材料を活用できる
仕込みが簡単
保存しやすい
提供に時間がかからない
という条件を満たす商品を、1〜2品から試すのがおすすめです。
客単価を上げる目的は、忙しくすることではありません。
今の客数とオペレーションのまま、少しずつ利益を残しやすくすることです。
まとめ:100円を上げるより、100円を選びやすくする
最後に整理します。
客単価100円の差でも、積み重なると月商に大きく影響する
新規集客だけでなく、今のお客様の注文内容を見る
小さな一品やセットで「もう一つ」の選択肢をつくる
商品名だけでなく、追加する理由まで伝える
声かけは押し売りではなく、具体的なおすすめとして行う
在庫やオペレーションを増やしすぎない
客単価を上げるというと、値上げや高額商品の導入を考えがちです。
しかし大切なのは、お客様があと100円使いたくなる小さな満足をつくることです。
まずは、今よく注文されているドリンクやフードの隣に、何を一つ提案できるか考えてみてください。大きく変えるのではなく、小さく試して数字を見ることが、無理のない売上改善につながります。
カフェを経営しているけれど、「売上を増やしたい」「客単価をどう上げればいいかわからない」と悩んでいる方も多いと思います。
Cafe Create Lab.では、メニュー構成や価格、オペレーションを含めたカフェ経営・開業の無料相談会を実施しています。お気軽にご相談ください。

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